終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ (集英社新書)

終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ (集英社新書)

本書は、旧ユーゴの情勢を情熱的に追いかけているフリーのジャーナリストによる、良質のルポである。良質というのは、先入観に毒されておらず、自分の足で動き、自分の目や耳に入ってくることに対して、自分の頭で考えたことを書いているからだ。「自分が見たこと、自分が聞いたこと、自分がすること、そこにあるもの」を描くという真実のルールが貫き通されている。コソボ空爆後にセルビア人たちが民族浄化されているのに、誰も見向きもしないという現実を伝えなければならないという情熱によって描かれた本書を読んで、私はようやっと、セルビアがなぜ悪玉として欧米のメディアから非難されつづけてきたのかがわかった。おそらく、欧米が狙っていたのは、旧ユーゴスラビアの解体と植民地化であろう。そのためには、求心力をもっていたセルビアを貶め、非難することが必要だったのだ。冷戦後世界の不条理を、解明するための知恵を与えてくれる本である。

はだかの起原―不適者は生きのびる

はだかの起原―不適者は生きのびる

はてなで紹介してもらた本。この本はすごい。何がすごいって、人類文明の意味を明らかにしたから。
われわれは洞窟に何万年も何十万年も住んでいるうちに、毛皮を失ってハダカになった。そして、あるとき、洞窟から出てきて、そとに洞窟を作った。それが家であり、建築である。

ハダカのサルが、地球の自然を自分の都合のよいように改変して、地球環境問題になった。